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CSS3でデザインするという未来

今回は技術的なお話ではなく、Webの将来について考えてみたことを書き留めてみたいと思います。

Web制作では日々のお仕事でデザイン、コーディングというフローを淡々とこなしているわけですが、これが10年、20年と続けられるものなのかという話しがよく出ます。
「Webの業界は進展がめまぐるしいので、これが永遠と続くとは考えづらい。」
「どんなに時代が発展したとしてもベースとしてこの作業フローは残る。」
など、いろいろと意見は飛び交いますが、たいてい漠然とした話題で終始します。

そこで今回、近い将来、デザインとコーディングという業務に最も影響を及ぼすであろうCSS3について、具体的に考えてみました。

現状のデザイン、コーディングについて

現状の一般的な作業工程では、デザイナーがグラフィックソフトを使ってデザインし、コーダーがエディタを使ってコーディングをします。そして、たいていのプロジェクトはそれぞれを分業している体制がほとんどだと思います。
デザインからコーディング、そしてクライアントへ納品といったフローで作業を進行しますが、これが一発でOKをもらえることはほとんどありません。デザインの変更や原稿修正などで、デザイナー、コーダー、クライアントの間を何度かいったりきたりを繰り返して完成へと向かいます。

このコストを抑えるべく作業を工夫しようにも、元々の見積もりが妥当なのかもあいまいなので、なかなか難しいのが現状です。

CSS3の可能性について

CSS3の技術は、その表現力の幅広さから大きな期待を寄せています。
現在、その仕様は一部が草案であるなど、未確定な部分もありますが、FirefoxやGoogle Chromeといったブラウザでは積極的に取り込まれています。しかし、IEなどではほとんど対応されていないため、業務として活用できるレベルには至っていません。

ただ、近い将来、その仕様が確定し、多くのブラウザで対応された場合に、それまで単調に繰り返されているWebの制作フローに大きなインパクトを与えるのではないかと私は考えています。

Web制作が大きく変わる?

CSS3をフルに活用することができれば、極端に言うと写真素材以外はCSS3で表現可能になるでしょう。背景やボタンなどをグラフィックソフトで作成する工程が省けるかもしれません。

つまり、一人の技術者がデザインとコーディングの知識を十分に習得すれば、グラフィックソフトを使わずに、コーディングのみでWebサイトを作れるのではないかというのが私の理想の未来です。

デザイナーやコーダーは常に手が空いているわけではないので、差し戻しが発生すると、どうしても「デザイナー待ち」や「コーダー待ち」といったタイムラグが発生してしまいます。
それを一人が担当するとなると、作業の流れがスムーズになりコストが短縮できます。
(もちろんその点だけ言えば、グラフィックソフトを使いこなせるデザイナー兼コーダーを育成すればよいわけですが。。。)

メリットとして、例えば、クライアントからの要望で、メニューを増やしてほしいといった要望があっても、グラフィックソフトを立ち上げてバランスを調整するという工程を省いて、コード調整だけで調整可能です。
また、赤ベースのサイトを、青ベースにして観てみたいというとんでもない要望にも、コードの調整だけで対応できます。

最終的に、コーディングでデザインを進めて、そのスクリーンショットをクライアントに提出する。クライアントからデザインのOKが出たら、コーディングしたものをそのまま納品というシンプルな工程で仕事が成り立つかもしれません。

まとめ

もちろん、CSS3を活用してグラフィックソフトを使わないべきだ、という話ではありません。
そもそもお客様にとっては、成果物に満足できさえすれば制作サイドがどのような工程を経たかというのは興味のない話です。今回のお話はWeb制作側の問題なのです。

最近ではAdobeなどからもFlashをHTML5とCSS3に書き出す技術や、Photoshopで書いたデザインレイアウトを同じくHTML5とCSS3に書き出す技術が開発されているようです。逆に言えば、HTML5とCSS3を使えば、リッチコンテンツも十分に表現可能ということです。

HTML5とCSS3はコードなので、将来的に優秀なエディタや自動生成ツールなどの開発が進めば、作業効率はさらに向上します。
ベースとなるコーディングを用意したら、「もう少しやさしい感じに」、「コンテンツの構成を1カラムに」といった調整が、ボタン一つでバリエーションを量産できるかもしれません。

そのような時代に十分な技術とノウハウを身に着けることができれば、近い将来、一歩先行くWeb技術者として優位に立てることは間違いないと信じています。

B!

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